水品堂 事業計画書

創業融資向けプレゼン用|
兵庫県淡路市 富島・北淡エリア
章立て一覧
SECTION 01

事業概要

淡路島「水品堂」再始動プロジェクト

地元で長年親しまれてきた喫茶店「水品堂」の屋号と看板を継承し、 モーニング&カフェランチを中心としたサードプレイス型のカフェ・週末は小さな酒場として再始動する事業です。

基本情報
  • 店名:水品堂(すいひんどう)
  • 所在地:〒656-1711 兵庫県淡路市富島967 大成ビル 1F
  • 席数:30席(カウンター+テーブル席)
  • 営業日:週6日営業(定休日:水曜日)
  • 経営形態:兄弟2名と妻による家族経営
営業形態・営業時間
  • モーニング:7:00〜11:00
  • カフェランチ:11:00〜15:30
  • カフェタイム:11:00〜16:30
  • 通常営業時間:7:00〜16:30(L.O 16:00)
  • 夜営業(金・土):18:00〜22:30(L.O 22:00)
モーニング&カフェランチが主軸 金・土のみ夜は小さな酒場
SECTION 02

事業内容(業態・営業時間・メニューコンセプト)

時間帯別の4つの顔を持つ店

「毎日使える日常使い」と「わざわざ来たくなる特別感」を両立するため、 時間帯ごとにターゲットとメニューコンセプトを明確に分けた営業モデルを取ります。

1. モーニング(7:00〜11:00)

ターゲット:

  • 地元年配層・旧水品堂ファン
  • 近隣の会社員・高校職員
  • 釣り客・ドライバーなど早朝利用客

客単価イメージ:700〜800円
コンセプト:
「毎日でも通える価格」と「目的来店されるクオリティ」の両立。
旧水品堂ファンも安心して通える、地元に根付いた味わいを大切にした喫茶モーニング。

2. カフェランチ(11:00〜15:30)

ターゲット:

  • 洲本・南あわじなど島内客
  • 神戸・大阪など島外からの観光客
  • 20〜50代のカップル・夫婦・家族連れ

客単価イメージ:1,500〜1,800円
コンセプト:
男性でも満足できるボリューム感。
写真映え+地元食材+ストーリー性を備えたランチプレートを提供。

3. カフェタイム(11:00〜16:30)

ターゲット:

  • 観光客・島外ドライブ客
  • ママ会・女子会
  • おひとり様客

客単価イメージ:1,000〜1,300円
内容:
パフェ・ケーキなどのスイーツ、カフェドリンク、自家製ドリンクを中心に高粗利商材で構成。

4. 夜営業(金・土 18:00〜22:30)

ターゲット:

  • 地元の大人・仕事帰りの1杯
  • ホテル・別荘宿泊客
  • 釣り終わりの人・観光客

客単価イメージ:
軽く一杯+つまみ:2,000円台
しっかり食べて飲んで:3,000〜4,000円台

コンセプト:
「定食もつまみも楽しめる小さな酒場」。
一人飲みもファミリーも入りやすい雰囲気づくりを行う。

SECTION 03

ターゲット・市場規模・市場動向

地元需要 × 観光需要のハイブリッド

水品堂は「富島・北淡エリアの生活圏」と「淡路島全体の観光圏」の交差点に位置し、 日常利用と観光需要の両方を取り込めるポジションにあります。

メインターゲット
  • 地元の人(淡路市・富島周辺・北淡エリアの住民)
  • 洲本市・南あわじ市の島内客
  • ホテル・別荘に宿泊・滞在する人
  • 観光客・ドライブ客
  • 「水品堂」を目的に来店するカフェ・グルメ好き
市場規模・動向(概要)
  • 全国的にカフェ・居酒屋市場はコロナ後に回復傾向。
  • 淡路島全体として、年間観光客数はおよそ1,000万人超規模で推移。
  • 島外からの移住者・二拠点生活者も増加し、日常的な飲食需要も拡大。
  • SNS・MEOを活用した「目的来店型」のカフェ需要が増加。
時間帯別のターゲットイメージ
  • モーニング:地元の常連・近隣の会社員など、「水品堂」の名前で安心して来られる層。また目的来店のお客様
  • カフェランチ:ランチ需要のある20〜50代の若めの層。カップル・夫婦・ファミリーなど
  • カフェタイム:島外観光客・ママ会・女子会・一人時間を楽しみたい人。
  • 夜(金・土):地元の大人、仕事帰りの一杯、宿泊客、釣り終わりの人など。
SECTION 04

企業理念・使命・展望・価値観

ブランドの核となる思想体系

「何のためにこの店をやるのか」という存在意義を明確化し、ブランド理念として体系化することで、メニュー開発・サービス設計・接客方針・店舗体験づくりのすべてに一貫性を持たせ、事業運営の中核となる軸とします。

企業理念

「自由な発想を原動力に、コミュニケーションと遊び心を生み出し、
顧客の感情を揺さぶるプロダクトとサービスを提供する」

使命(ミッション)

「活力を生み出すサードプレイスの実現。」
淡路島の島民はもちろん、島外のお客様にとっても、ストレスから解放され、 気軽に立ち寄ってリラックスできる居心地の良い場所であること。

展望(ビジョン)

「最高になれば、最大になる」
量より質を重視し、結果として最大の支持を得ることを目指す。

価値観(バリュー)

「この一口が楽しい」
料理・ドリンク・空間・会話、そのすべてで“小さな楽しさ”や驚き、心地よさを感じてもらうことを重視。

SECTION 05

経営体制と人件費・初期投資・資金調達計画

家族経営による固定費のコントロール
経営体制・人件費の前提
  • 経営形態:兄弟2名と妻による家族経営
  • 基本的な営業は3名を中心に実施
  • 必要に応じてパート・アルバイトを追加検討

人件費の前提:兄弟2名の世帯それぞれ、手取り20万円/月を目標。
社会保険料などを含めた人件費は、年間約600万円前後で計画。

家賃の前提

家賃:月額20万円(年額240万円)

初期投資・設備
  • 内装・設備・什器:約250万円(現状設備をほぼ引き継ぐ)
  • 厨房機器:約250万円
  • 開業準備費(広告・備品・雑費):約100万円
  • 開業運転資金:約700万円
資金調達の想定枠
  • 自己資金:300万円
  • 融資(日本政策金融公庫):1000万円
  • 起業支援金(助成金):最大100万円
  • 小規模事業者持続化補助金:最大250万円
  • IT導入補助金:最大450万円
  • クラウドファンディング:目標300万円

※ 補助金・助成金・クラファンは「採択・達成できれば追加で投下する」投資

SECTION 06

マーケティング戦略と差別化

チラシ × Instagram × MEO の3本柱

「昔からの安心 × 中身は新しい店」というギャップを活かし、低コストで継続可能な集客手段に集中します。

1. チラシ
  • 富島周辺・淡路市内へのポスティング
  • 高校・近隣企業・商店・医療機関などへの設置・挨拶回り
  • オープン前後〜1年目は特に重点的に実施
2. Instagram
  • インスタ運用を主軸としたブランディング
  • 世界観の統一(写真トーン・フォント・余白の取り方など)
  • インスタ広告で、洲本・南あわじ在住/神戸・大阪在住で淡路島に興味がある層に配信
3. MEO(Googleマップ対策)
  • オープン初期から写真・メニュー情報をしっかり登録
  • 知人・常連への口コミレビュー依頼
  • 「淡路島 カフェ」「淡路島 モーニング」「淡路島 ランチ」などのキーワードでの検索を狙う
差別化のポイント
  • 老舗屋号の信頼感 × 中身は現代的なカフェ&週末は小さな酒場
  • ボリューム満足と写真映えを両立したメニュー構成
  • 家族経営による温かい接客と安定したオペレーション
SECTION 07

経営戦略と事業成功のポイント

小さく強く始める戦略

初期投資と固定費を抑えつつ、家族経営ならではのスピードと柔軟性を活かし、 損益分岐点を低く保ったうえで売上を積み上げる戦略を取ります。

  • 時間帯を分散させることで、客数・売上を安定化。
  • 家族3名の稼働を軸にし、ピークタイムのみにアルバイトを投入。
  • メニュー数を絞りつつ、原価率38%を維持し、高い粗利率(62%)を確保。
  • マーケティングは低コストなデジタル施策+チラシに集中し、広告費をコントロール。
SECTION 08

財務計画:売上予測(3ヶ年)

席数30席・週6日営業を前提

席数30席、営業日数・客単価・回転数などの前提に基づき、1〜3年目の売上高を堅実なラインで試算しています。
この売上前提をもとに、次章の損益計算書では家族3名のみの基本ケースアルバイト人件費を加味したケースの2パターンで収益性・返済余力を検証しています。

座席数
30席
営業日数
約312日/年
夜営業日(金・土)
約104日/年
項目 前提値
モーニング客単価 750円
ランチ客単価 1,650円
カフェ客単価 1,150円
夜客単価 3,000円
年度 売上高 前年比
1年目 31,798,000円
2年目 34,024,000円 +7%
3年目 35,725,000円 +5%

※成長率は周辺環境・認知の進行を踏まえた堅実なラインで設定しており、
アルバイト人件費を含めた運営体制をとった場合でも、十分な返済余力が確保できる水準としています。

SECTION 09

損益計算(PL)とキャッシュフローのイメージ

粗利率62%・高採算モデル

粗利率は62%(原価率38%)を想定。
家族3名のみで運営する基本ケースと、アルバイト人件費を加味したケースの2パターンで、 1年目の利益計画とキャッシュフローのイメージを示します。

1年目 損益計算書(家族3名のみの基本ケース)
項目 金額
売上高 31,798,000円
売上原価(38%) 12,083,000円
売上総利益 19,714,760円
人件費(家族3名2世帯) 6,000,000円
家賃 2,400,000円
水道光熱費 2,000,000円
広告宣伝費 800,000円
減価償却費 800,000円
その他経費 1,200,000円
固定費合計 13,200,000円
営業利益 6,514,760円
支払利息(概算) 100,000円
経常利益 6,414,760円
法人税等(20%想定) 1,283,000円
当期純利益 5,130,000円
1年目 損益計算書(アルバイト人件費を含めたケース)
項目 金額
売上高 31,798,000円
売上原価(38%) 12,083,000円
売上総利益 19,714,760円
人件費(家族3名+アルバイト) 8,345,200円
(うちアルバイト 2,345,200円)
家賃 2,400,000円
水道光熱費 2,000,000円
広告宣伝費 800,000円
減価償却費 800,000円
その他経費 1,200,000円
固定費合計 15,545,200円
営業利益(概算) 約4,170,000円
支払利息(概算) 100,000円
経常利益(概算) 約4,070,000円
法人税等(20%想定・概算) 約810,000円
当期純利益(概算) 約3,260,000円
2年目(概算)
  • 売上高:34,024,000円
  • 売上総利益:約21,094,880円
  • 固定費は人件費・光熱費・広告・その他がやや増加
  • 営業利益:約7,294,880円
  • 当期純利益:約5,760,000円前後
3年目(概算)
  • 売上高:35,725,000円
  • 売上総利益:約22,149,500円
  • 固定費はさらに微増と仮定
  • 営業利益:約7,749,500円
  • 当期純利益:約6,120,000円前後

※キャッシュフローのイメージとしては、税引後利益に減価償却費を加えた金額が、
年間の返済額を大きく上回る水準で推移することを示します。
また、アルバイト人件費を加味したケースでも、十分な返済余力が確保できる前提としています。

SECTION 10

採算性:損益分岐点売上の分析

基本ケース+アルバイト投入ケース
1. 家族3名のみ(基本ケース)

固定費:約13,200,000円/年
粗利率:62%
損益分岐点売上高:13,200,000 ÷ 0.62 ≒ 21,300,000円前後
1年目計画売上(31,798,000円)は、損益分岐点売上高の約1.5倍であり、
収益性・返済余力の両面で十分な安全マージンがある計画です。

2. アルバイト人件費を含めたケース

固定費:約15,545,200円/年(家族3名+アルバイト人件費を含む)
粗利率:62%
損益分岐点売上高:15,545,200 ÷ 0.62 ≒ 25,100,000円前後
1年目計画売上(31,798,000円)は、損益分岐点売上高の約1.3倍であり、
アルバイトを投入した運営体制でも、一定の安全マージンを確保できる水準となっています。

SECTION 11

SWOT分析と、それに基づく戦略

強みを活かし、弱みとリスクをコントロール
Strengths(強み)
  • 老舗屋号「水品堂」の継承による地元での信頼。
  • 家族経営で、機動力と意思決定が速い。
  • モーニング〜ランチ〜カフェ〜夜(金・土)の時間帯分散。
  • 明確な理念・ミッション・価値観があり、ブランディングしやすい。
Weaknesses(弱み)
  • 新規開業のため運転資金に限りがある。
  • 立地が観光一等地ではないため、初期集客には工夫が必要。
  • 家族3人の稼働に負荷が集中しやすい。
Opportunities(機会)
  • カフェ・居酒屋市場の回復傾向。
  • 淡路島の観光地としての注目度上昇。
  • SNS・MEOなど低コストなマーケ手段の活用余地。
  • 島外からの移住者・二拠点生活者の増加。
Threats(脅威)
  • 原材料費・光熱費の高騰。
  • 島内への飲食チェーンや有名店の進出。
  • 観光需要が外部要因で大きくぶれるリスク。
SWOT分析に基づく戦略
  • S×O老舗屋号の信頼と家族経営の機動力を活かし、SNS・MEOによる低コスト集客で観光・地元双方を取り込む。
  • S×T高粗利率と時間帯分散により、原価・光熱費の上昇や観光需要のブレに耐えうる収益構造を維持。
  • W×O立地面の弱みは、口コミ・Instagramでの「目的来店」を増やすことでカバー。
  • W×T家族3名の負荷集中に対しては、ピークタイムのアルバイト活用と、オペレーションの標準化でリスクを低減。
SECTION 12

事業目標と未来に向けたプラン

短期〜長期のロードマップ
定量・定性の事業目標(例)
  • 創業1〜3年で黒字化・安定したキャッシュフローを確立。
  • Googleマップ口コミ★4.3以上・100件以上。
  • Instagramフォロワー:10,000人を中長期の目安とする。
  • 「淡路島といえば水品堂」と言われるサードプレイスの確立。
短期(1〜3年)
  • 水品堂を「富島のサードプレイス」として定着させる。
  • 口コミ・SNSでの認知を高め、平日・休日ともに安定した集客基盤をつくる。
  • オペレーションとメニュー構成を磨き込み、利益率を安定化。
中期(3〜5年)
  • テイクアウト・ギフト・ECの展開。
  • 宿泊施設との提携(朝食提供・パーティープランなど)。
  • イベント・ポップアップ出店などでブランド露出を拡大。
長期(5年〜)
  • 2店舗目・移動販売車・コラボ店舗などの可能性を検討。
  • 地域の観光戦略・まちづくりとの連携を強化し、エリア全体の価値向上にも貢献。